【イベント終了】 表参道「花より男子・やまとなでしこ」伝説ドレスも展示!エマ理永「THE DRESS展」
展覧会に行ったきっかけは「なんとなく」だった

表参道で開催されているドレスの展覧会「THE DRESS~それは命が宿る彫刻~」。
たまたま見かけた写真に心惹かれ、「美しいドレスが見られるなら…」と軽い気持ちで足を運んだのが始まりでした。

この記事では、まったく知識ゼロで訪れた私の目線から、感動の理由、ドレスの背景、デザイナー・エマ理永さんのすごさ、そして「科学とファッション」が融合した世界を丁寧に解説していきます。

高級ブランドが立ち並ぶ南青山。その一角にある「スパイラルビル」の中に、静かで荘厳なドレスたちが並ぶ空間が広がっていました。

展覧会のタイトルに込められた意味:「命が宿る彫刻」とは?

2025年6月、東京・表参道のスパイラルガーデンで開催された
エマ理永(エマリーエ)による個展「THE DRESS〜それは命が宿る彫刻〜」展へ足を運びました。


美しいドレス展だと思って訪れた私は、その空間に足を踏み入れた瞬間、息を呑みました。
目の前に広がっていたのは、まるで生きているように存在するドレスたち。


しかもその背景には、AI、数学、脳科学、視覚認識理論といった最先端科学が融合されていたのです。




ただ布で作られた“服”ではなく、形そのものに意味があり、空間を彫刻のように構成し、見る者の心を揺さぶる“生きている”存在だったのです。

デザイナー「エマ理永(エマリーエ)」とは?

唯一無二のコンセプト「美は数式と脳の対話から生まれる」


私自身、今回の展示を通じて初めて知った名前でしたが、エマ理永さんは日本を代表するオートクチュールデザイナーであり、科学と芸術を融合させた独自の哲学を持つ、唯一無二の存在です。

経歴を簡単に紹介すると:
- 本名は松居エリ。1988年に「エリ松居」としてデビュー
- アメリカ・シカゴで学び、ヨーロッパ(パリ)でも活躍
- 日本に戻ってからは、脳科学・数学・AI・物理学といった先端科学とファッションの融合を目指す活動にも
- 2017年に名前を「エマ理永」に改名し、ブランド名も「EMarie(エマリーエ)」に統一
※ブランド「エリ松居」は他社が運営していて、デザイナーエマ理永は、関与していない。


ファッション×サイエンス。驚きのドレス制作プロセス


科学やAIを使ったドレス制作ってどういうこと?
展示で紹介されていた説明によると、以下のような技術・研究との連携がなされています:
- 理化学研究所や東京大学の研究者とコラボ
- AIによる数式解析・脳波データを視覚化し、それをドレスの構造に反映
- カオス理論や対称性の美学など、物理・数学の概念をレースや刺繍、構造に取り入れている
つまり、「可愛い」「華やか」だけではない、知性と計算に基づいた“美”が宿っているのです。

ドレスの構造に隠された「数式」と「詩」


あるドレスには、胸元の刺繍部分に“黄金比”のカーブが隠れていたり、
またあるドレスには、フラクタル図形やカオス理論の数式に基づいたレース構造が使われていました。
さらに、AIが生成した詩や音楽のリズムに合わせて、スカートのボリュームや波の形が調整されているものまで。

ドラマ・映画で使用された実物ドレスも展示
展示会では「あの名作」に登場した、伝説のドレスも展示されていました。
◆ 映画『花より男子ファイナル』
- 井上真央さん演じるつくしが着たウェディングドレス
- まさに“プリンセス”という言葉がぴったりの華やかさ
- 身頃には、ゴージャスなレースをふんだんに使用し スカートはアーティスティックなドレープとバラを咲かせた 繊細でゴージャスなドレス。



◆ ドラマ『やまとなでしこ』

- 松嶋菜々子さん演じる桜子が着用したウェディングドレス
- シンプルながらも静かな力強さがあり、「計算された美しさ」の極致といえる佇まいでした
- スカートのラインが完璧な放物線で構成され、数学的美が隠れている

初心者でも大丈夫!パネル解説が丁寧でわかりやすい
科学や数学と聞くと「ちょっと難しそう…」と身構えるかもしれませんが、会場内にはドレスの横にパネルで解説があり、難しい内容も丁寧に説明されていました。
- どうやってドレスに脳波の波形が使われたのか
- どの部分に数式が組み込まれているのか
- それがどう「感情」とつながるのか

展示されたドレスの中に隠された“知性”


AI × 理化学研究所による「アルゴリズム・ドレス」


理化学研究所との共同研究で制作された「AIドレス」は、
人工知能が生成した詩・音・数式を解析し、そのリズムや構造を反映させて形作られた作品。
- プリーツの折り返しは音楽の拍子を模倣
- 胸元のレースには数式パターンが反映
- AIによる詩が内側の裏地に刺繍されている
これを見て「ドレスって、着るもの以上の意味を持つことがあるんだ」と知りました。
光、陰影、布の質感、シルエット…どれも本当に素晴らしく、まるで一瞬ごとに命が宿っているかのような美しさでした


視覚認識学者とのコラボによる「フラクタルドレス」



フラクタル=自然界に見られる“自己相似形”の幾何学的構造。
この理論に基づいて作られたドレスは、見る角度や光の当たり方で形が変化して見える作品。
- フラクタル構造が視覚的に脳を刺激し、美しさを「本能」で感じる
- 装飾や刺繍にも精密な幾何学模様を再現
- 数学を“感情に訴えるデザイン”に転換した奇跡的な表現

ドレスは彫刻であり、記憶であり、数式でもある


この展示を通じて私が最も感じたのは、「ファッションは科学であり、心であり、芸術である」ということ。
見た人の脳波に美しい反応を起こすドレス。
数式のバランスを用いた曲線美。
AIが「美しい」と判断したリズムで折られた布。
感性と理性を融合させて、普遍的な美を追求するデザイナー
――それが、エマ理永さんなのです。

実際に行ってみてわかった「THE DRESS展」の魅力まとめ
特徴 | 内容 |
---|---|
世界で注目 | NYタイムズ・ネイチャー掲載作品を展示 |
科学×アート | AI、数学、視覚理論との融合 |
セレブリティも愛用 | 松嶋菜々子・井上真央などが着用 |
入場無料 | 表参道駅すぐ、ふらっと立ち寄れる |


最後に:それは、知性と感情が出会った“命ある彫刻”だった

左脳で構築し、右脳で感動させる――
数式と感情が出会った瞬間、普遍的な美が生まれる。

その言葉を思い浮かべたとき、まさにこの展示がそれを体現していたのだと実感します。
かつてアパレル業界でデザイナーとして働いていた私にとって、目の前に広がるドレスの数々は、懐かしくもあり、羨望のまなざしで見つめる対象でもありました。
どこかで「またつくりたい」と、静かに背中を押された気もしています。
前提知識もなく、ふらっと立ち寄っただけのつもりでした。
けれど、理屈抜きで心が揺さぶられる体験というのは、本物の証。
それは、ただの服ではなく――
知性と感情が融合し、命が宿った彫刻だったのです。
エマ理永さんが描く世界に、ほんの一歩でも触れることができた幸運に、心から感謝しています。

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表参道「スパイラルガーデン」で開催!入場無料
https://www.instagram.com/emarie_wedding
https://www.instagram.com/ema_rie_sensing_garment
店名:スパイラルガーデン(Spiral 1F)
住所:東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1F
お店のURL:https://www.emarie-weddingdress.com/wedding_dress/index.html
最寄り駅:表参道駅 B1出口直結(徒歩1分)
イベント名:エマ理永のドレス造形展 THE DRESS~それは命が宿る彫刻 究極の造形美を求めて
イベント開始日:2025-06-12
イベント終了日:2025-06-23
入場料:無料
特記事項:写真撮影OK!
平日営業時間:11:00〜20:00
休日営業時間:11:00〜20:00
開催期間:2025-06-12 〜 2025-06-23